襖や障子に使用されるのりは本来「でんぷん糊(でんぷんのり)」でした。しかし、昭和の大量生産時代に入り「合成糊」が発展。今では店舗によって「使用する糊の種類」が違います。
当店で使用するのりは「タニゴ商店」さんの「でんぷん糊(でんぷんのり)」です。当店から近いこともあり、お話をお伺いしてきました。
「こんな大変な作業してるとこ無いで」
昨今は「大量生産」が主流となっているため、職人の意見をいろいろと聞き、改良して商品を作る…というタニゴ商店さんのような細かい仕事をしている「のり屋さん」はなかなかありません。まして「出来る限り自然に近いもの」をつくろうとすると大変さもひときわ。「原料が食材と同じ」であるので、長期保存のための「防腐剤」の使用は不可欠。しかし、使用する防腐剤は、食品医薬品などのFDAの認証を受けたものです。
のり屋さんで修行をしていたお父さんから受け継がれた昔ながらの機械を使って「でんぷん糊(でんぷんのり)」は作られます。熱せられた「のり」がたまにはじけて飛び散るので「気ぃつけな、危ないで!」と言われました。
「よう言われるねん。クロスののりを大量に作った方が儲かるで~って」
実際のところ、そうだと思います。でも、タニゴ商店さんのような「のり屋」さんを探していらっしゃる方も多いと思いますし、大量生産物ばかりを作られると、当店が困ります。これからもよろしくお願いいたします。
当店でお世話になっている「株式会社タニゴ商店さん」の通販サイトができました。
昨今、業務用として販売されているでんぷん糊のほとんどは「苛性ソーダ」を使用して作成されるそうですが、タニゴ商店さんのでんぷん糊は、クツクツと炊いて作成されています。本当に昔ながらの炊き糊なのです。ご家庭用に500g入を当店通販サイト用に特別に作成して頂いております。業務用に関しても、当店へお問い合せ頂く事が多くありましたが、この度、タニゴ商店さんがHPを作成され、通販を開始されました。業務用でんぷん糊はタニゴ商店さんにてご購入下さい。
FDA認証の防腐剤
*FDAとは…(Food and Drug Administration of the United States Department of Health and Human Service)米国食品医薬品局のことで、食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬など消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカ合衆国の政府機関です。 日本の厚生労働省に当たるHHS (Department of Health and HumanServices; 保健社会福祉省) に属しています。
使用している糊の成分は、「FDA間接食品添加物規制」に登録されている製品のPart175接着コーティングにおける接着剤(175-105)、Part176紙および板紙の成分における水性および脂肪性食品と接触する紙および板紙の成分(176-170)・スライムサイド(176-300)の項に登録されており、FDA認証の接着剤として安心して使用できます。
【商品内容証明】 |
|||||||||||
製品名 |
NH上 全糊連3058(のり一番 NH) |
||||||||||
物質の特定 |
澱粉系接着剤 |
||||||||||
主成分 |
小麦粉澱粉/タピオカ澱粉/加工澱粉 |
||||||||||
溶 媒 |
水 |
||||||||||
防腐剤 |
(FDA認証)水性商品防腐剤/防カビ剤 |
||||||||||
接着剤 FDA175・105/食品FDA176・170/スライムサイドFDA176・300 |
|||||||||||
外 観 |
白色ペースト状 |
||||||||||
臭 気 |
かすかな天然デンプン臭。乾燥後、臭気はなし |
||||||||||
【ホルムアルデヒド放散量】 |
|||||||||||
財団法人日本文化用品安全試験所「試験成績報告書(試 15-0668号)」 |
|||||||||||
試験項目 |
ホルムアルデヒド放散量 |
||||||||||
試験方法 |
JIS A 6922:2003(壁紙施行用及び建材用でん粉系接着剤) 5.4ホルムアルデヒドの放散量試験の項に基づき試験を行った。試験は2回した。但し、試験片の作製は、建具の場合の項に基づく。 |
||||||||||
試験結果 |
ホルムアルデヒドの放散量は、次のとおりである。 |
||||||||||
|