腰張りは衣服や壁を保護するために施されます。
腰張りは張替することが前提となるため、次回張替の際には剥がれやすいように、また使用している際には剥がれては困るので剥がれにくいように布海苔とでんぷん糊を調節して張り込みをします。
お茶室の腰張りには通常「湊紙」と「西ノ内和紙」の二種類の和紙が使用されますが、希に「反古紙(ほごし)」を使用されているお茶室もあります。
使用する和紙の一つは「西ノ内和紙」白い和紙。これは亭主側に張られる「西ノ内和紙」です。西ノ内という地区で農家が冬の間の副業として漉き始めたのが始まりだとか。「西ノ内和紙」は大変丈夫で水にも強いと言われています。通常高さは九寸。
もう一つは「湊紙」これは青い和紙。(他の色もありますが、一般的には青い和紙です。)客人側に張られます。元々は「漉き返し」と言い「一度使用した和紙を水で戻し、漉き直した和紙」となる、今で言うリサイクル紙です。そのため濃い色が付けられています。昨今の湊紙は漉き返しではなく、濃い色が付けられた和紙が多くあります。通常は二段、高さ一尺八寸とされています。
反古紙(ほごし)は一度使用した和紙のことで、漉き返しなどをすることなく、文字が入った和紙をそのまま張り込みます。張り込みも文字面を表にしたり、裏にしたり。お茶室は流派などにより、またそのお茶室をご使用になる方により様々に決まり事があります。それらは障子紙の張り方や畳にも。上記に張高を記しましたが、それらもお茶室によって希に異なることがあります。