襖は主に「部屋と部屋の仕切り」として、また「押し入れ」に使用されています。
襖はシチュエーションによって「小部屋と小部屋をつなげて、大広間として使用する」ことを前提として木と紙でできた世界に類を見ない「軽い扉」。あの、物理学者・アインシュタインが日本を訪問した際、指一本でスムーズに動く襖に驚いたと言う逸話も残っている程です。
「襖はすぐに破れるから…」とよく耳にしますが、何重にも紙が貼られると(当然ですが)襖は丈夫になり、少々の事で破れる事はありません。問題は「下張り」と「上張りの襖紙の種類」です。襖の張替えをお受けし、その襖を見てみると「下張り」されていないものを多く見かけます。確かにデザインは大切ですが出来上がって見えなくなってしまうところが非常に重要です。「下張りがされた襖」と「下張りされていない襖」では、「丈夫さ」という面でかなり異なります。
また、襖の骨組みは主に「木」ですが、時代のニーズと共に襖骨もバリエーションに富み、現在ではさまざまな種類の襖骨があります。
安価な襖骨はダンボールや発泡スチロールで出来たものとなり、襖縁のみが固いため時間の経過とともに中心部分が空いてくるなどの問題が生じ、基本的には張替えができません。
現在、一般的に使用されているのは「チップ」
と呼ばれる襖骨です。当店では新調の際にはこの「チップ」を主に使用し、法具紙を貼ってから上張りすることをおすすめしております。本襖であれば下張りを少なくとも3~4回、上等のものは10回の下張りをしたものですが、コスト的にかなり問題となるため、簡素化した襖骨を使用しております。この襖骨なら張替えも出来、長くご使用いただく事も可能。さらにコスト面でも優れています。
ご要望があれば当然、昔ながらの本襖も作成させていただきます。