オリジナルデザイン襖紙(ふすま紙)「町家ふすま」・染めについて

染めについて

町家ふすまに使用している染め材料はすべて天然染料です。
「天然染料」で染めたものは色あせと共に時間の経過を心地よく感じる事ができます。

柿渋は、渋柿を醗酵させて作られる日本独自の染料です。塗料としても幅広く使用されています。一昔前までは、外部の板戸や木製部分に使用されていました。撥水性があり防虫防腐の効果もある、まさに一石二鳥も三鳥もあるような材料です。時の経過とともに、色が変化し風合いが増します。湿度があり暗い場所にあるほど色濃くなります。あまり知られていませんが、柿渋といえども日当りの良い場所にあると2ヶ月をすぎた頃から色あせを生じます。塗りたての柿渋は、生ぎんなんをつぶしたような独特の匂いがしますが、2~3日くらいで匂いもほぼおさまります。
*純粋な自然素材です。昔ながらに風通しの良い空間でのご使用をお勧めします。

墨は、松、菜種油や椿油などの植物油を燃やして摂取する煤と、動物の皮や骨を煮出して摂取するゼラチンを固めた膠(にかわ)、麝香(じゃこう)や竜脳(りゅうのう)、梅花香(ばいかこう)などの植物を原料にした香料を練り合わせ、型に入れて乾燥させてつくられます。

胡粉は、牡蠣や蛤の貝を砕いてつくられる白い粉です。日本画や日本人形の絵付けに用いられる白色です。

雲母は、鉱物の一種で日本画などに用いられる六角板状の結晶です。お化粧品などに使用されており、キラキラ光るのはこの雲母です。和紙に雲母をほどこすと、光の加減によってやわらかく光を放ちます。雲母粉と顔料や色胡粉などを混ぜると色は淡く変化し、いわゆる「いぶし銀がかった」ような上品な光沢を表現することができます。

膠(にかわ)は、タンパク質を主成分とする、動物の皮膚や骨、腱などの結合組織の主成分であるコラーゲンに熱を加え抽出したものです。画材を定着する接着剤の役割を果たしています。当店では、主に三千本および粉膠を使用しています。

ふのりは、岩に生息する海藻で、日本画や陶芸、染め、有名なところでは土佐漆喰壁を作成される際にも使われる糊です。昨今ではダイエット食品として食されることもあるものです。画材を軽く定着する接着剤の役割を果たしています。