襖紙(ふすま紙)の種類

襖紙の種類

上貼り襖紙には膨大なデザイン種類があります。是非、さまざまな襖紙からお好みのものをお選びください。
下記襖紙の他にも染め紙や紙を漉く段階で模様をほどこしたもの、唐紙(版木による柄つけ)、型紙によって柄を付けたものや銀箔や雲母粉などをし利用して色をつけたもの…など多種多様な襖紙があります。襖紙の価格にかなり幅がありますが、高級な襖紙と安価な襖紙の決定的な違いは、その繊維の丈夫さ。色あせの具合も異なります。
ここではざっくりと襖紙種類について記します。

マークのあるものは、各襖紙について詳しいページが開きます。

紙、ビニール襖紙

襖紙種類 特徴など


別ページ 本鳥の子
(手漉き和紙)
越前だけで「伝統的な手漉き技法」によって作成される襖紙。
本来は雁皮(ガンピ)紙をさし、その色合いが鶏卵の殻の淡黄色ににているところから鳥の子と呼ばれた。本鳥の子は紙料によって「特号紙(雁皮紙)」「一号紙(雁皮紙+三椏)」「二号紙(三椏)」「三号紙(三椏+木材パルプ)」「四号紙(マニラ麻+木材パルプ)」の5種類がある。
現在は、さまざまなディテールを加えた襖紙が豊富にある。
本鳥の子
鳥の子 抄紙機によって作成される襖紙。紙料はさまざまで、本鳥の子同様に雁皮や三椏を使ったものから木材パルプのみで作られたものまである。上質なものでは、繊維の絡みや紙の風合いまで手漉きに近いものも作成される。 鳥の子
別ページ 上新鳥の子

鳥の子の普及品で、紙は安価で均質。機械漉き模様、後加工による模様付けなどもあり、種類も色目も豊富。「上新」とも呼ばれ、一般住宅や集合住宅などによく使われる襖紙。

上新鳥の子
ビニール襖紙 塩化ビニールなどの合成樹脂製の襖紙。耐水性と汚れにくさを特徴とし、水回りなどに使用される ビニール襖紙
別ページ 新鳥の子 紙系の襖紙の中でもっとも安価なもの。製紙から模様付けまですべて機械でつくられる。再生紙を利用して作成されるため、繊維が短く破れやすい。また、安価に仕上げるため、下張りをしなくても貼る事が出来る様に紙の裏が茶色い。別名を「茶裏」と呼ぶ。
*地方によって呼び名は、異なるかもしれません。
新鳥の子

織物襖紙

織物系の襖紙は、紙系よりも破れにくいのが特徴です。特に天然織物は「布に裏打ちをした感じ」で、織り目が非常に細かく、素材が「布」なので滅多な事では破れません。合成繊維のものは「紙に荒めの織物が貼られている感じ」で、同等の「紙系の襖紙」よりは破れにくくなっています。

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襖紙種類 特徴など
別ページ 葛布(くずふ)
葛根湯(かっこんとう)などの漢方薬になっている葛の繊維を横糸に用いて織った織物の襖紙。高級旅館や高級料亭などによく使用されていた襖紙で、時間の経過と共に飴色に変化する 葛布
本絹しけ 国内産絹糸100%の織物に、越前和紙を裏打加工したもの。使用される絹糸は、蚕の糸を数十本合わせて作られるために、糸の太さや紬(つむぎ)が不規則となり、織段や紬が得られる。絹の染色から張り合わせ、仕上げ加工まで一貫して手作業で作成される 本絹しけ
別ページ 本紗織 横糸を麻、縦糸を木綿で織った襖紙。平滑で滑らかな風合いが好まれ、天然素材のものの中では最もよく使用されてきた 本紗織
別ページ 絹しけ 繭の外皮から引き出したあら糸を横糸にした絹織物。糸そのものの不揃いさや打ち込みの不揃いさが独特の風合いをつくり、さまざまな色に染められたものがある 絹しけ
別ページ 芭蕉布

本来の芭蕉布は、縦糸に木綿や麻糸、横糸に芭蕉繊維を用いている。沖縄を主産地とした芭蕉布とは別物だそう。さらりと強固で張りのある風合いを持つ。

芭蕉布
上級織物 合成織物の中では高品質なもの。施される模様も手加工によるものが多く作られている。縦糸にレーヨン糸、横糸に木綿の意匠捻糸や絹などを用いている
1インチ内…縦糸:約50本 横糸:約40本
上級織物襖紙
中級織物 一般的に良く使用される織物襖紙。縦糸、横糸ともにレーヨン糸を使用。上級織物と同じく、施される模様は手加工を中心にさまざまなものがある
1インチ内…縦糸:約30本 横糸:約24本
中級織物襖紙
別ページ普及品織物 最も低価格で、種類が豊富。縦糸、横糸ともにレーヨン糸(短繊維)を使用。模様は印刷機を使用して画一的なものとなる
1インチ内…縦糸:約24本 横糸:約22本
普及品織物襖紙

*参考文献「襖考」