今回の物件は「和歌山県」。お電話を頂戴した時には「え?!和歌山ですか?!」と驚いてしまいましたが、「是非お願いをしたい!」とご依頼を受け、お引き受けさせていただきました。
ご依頼人は、30代前半の若夫婦とちいさな娘様の3人家族。設置後、お喜びのメールを頂戴しました。本当にありがとうございました。
リビングの戸ふすま6枚立て(下写真)は、旦那様からのご要望。「幾何学的な紋様が良い」とのことで、他にいくつかご提案をさせていただきましたが、今一つピンとこないご様子。いろいろとお話をお伺いしているうち「梵字とか曼荼羅とか好きなんです」と。私自身も文化や風習などに興味があり、「チベット梵字」の柄をご提案。よそではお目にかかれないリビングのふすまが仕上がりました。ちょっと見たところ、どこかの民族の盾のように見えますが、1枚1枚違うこの柄は「パゴダ」を表し、一つ一つに意味のある柄となっています。本来柄は9つあり、「梵文体/斯益」との意味。
日本語には「斯益」という文語はなく、「斯界」「斯道」などがあります。「斯界」とは'この社会、この方面'との意。「斯道」とは'聖人の道、儒教の道、その人がたずさわっている技芸や学問の道'とあるため、「斯益」とは'この益'そしてやはり宗教的な意味合いを持ったものと解釈できます。
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【ふすま】 *すべて新調 戸襖:6枚 | ||
骨 :新調(戸襖)/並下貼り | 紙 :彩鳥の子 GGM-2153(白茶色)/チベット梵字 |