尾形光琳の図柄を用いて作成された京からかみ「光琳菊」。京からかみの中でも、代表的な図柄となるかと思います。ほんのりと赤みがかった黄色い紙「鳥の子色」の襖紙に雲母(銀色に光る鉱物)で柄付けがされています。雲母で柄付けのされた襖紙は、全体に柄が入っていても、光の加減で柄が浮かび上がったり消えたりするので、うるさい柄にはなりません。また、紙色が褪色するとこの雲母の柄がより一層引き立つようになってきます。
お部屋入り口には薄墨染めと柿渋紙の市松模様。また、正面には三六版柿渋紙を張り込み、裾に楮墨染めのアールの飾り貼りの壁があります。現代風の床の間として利用されるのだとか。壁の横に設置された縦長の障子からは柔らかい光が差し込みます。
【手漉き「天祥雲」の襖】*すべて張替 | |||||
襖骨:本襖/八遍貼り | 引手:うるみ長木瓜/うるみ重桐丸 | ||||
紙 :京からかみ「光琳菊」/薄墨染め和紙・柿渋染め和紙/濃墨染め和紙 | |||||
フチ:上加州艶消 |