京からかみ「春挙松といたや楓」・お茶室仕様の雪見障子・大阪市

京からかみ「春挙松といたや楓」・お茶室仕様の雪見障子・大阪市
京からかみ「春挙松」・大阪市

「子どもたちも自立したので、ちょっといいふすまをつくりたい。」とお電話を頂戴したのが始まりで、「ふすまと畳」のご依頼をいただき、お客様のお宅へ。お宅がマンションであったこともあり、もともと設置されていたふすまは、残念ながら「スタイロ(発泡スチロール)」。このふすまは、基本的に「使い捨て」の骨となるので、今回は新しく「新調」での作成となりました。

ご主人がお茶を嗜まれており、その関係でふすまにご興味を持たれたのだそうで「京からかみ」のふすまにしようと、インターネットで当店HPにお越し頂きお電話を頂戴したようです。最初の打合せには、店主(兄)が一人で寄せていただいたので打合せの様子など、私は存じ上げないのですが、打合せから戻ってきた店主が「すごいわ〜、あの奥さん。ええもんをよう分かったはるわ。」と随分うなっておりました。

今回ご用命頂いた京からかみ、春挙松は「唐長版を使った本鳥の子(手漉き和紙)」と「いたや楓」。この「春挙松」の柄はからかみの大道と言っても過言ではない程の人気柄ではないでしょうか。「春挙松」とは、日本画家野村文挙に入門、その後文挙の師森寛斎に師事した、山元春挙の松。しっとりとした鳥の子色の紙に、光の加減で浮かび上がる雲母の全体柄が「これぞ京からかみ!」と感じさせる「色目、柄、光沢具合」。リビング側に設置した「いたや楓」は、私が個人的に「見てみたい〜!」と思っていた京からかみです。木版柄の面が大きく、洋室にも和室にも似合うだろう…と思っていた柄。これだけ雲母面があるのに落ち着いて見えるのは、やはり雲母独特のしっとりとした光沢。廊下側に貼られた「手漉き天上紙」もあっさりとして、とても綺麗です。ほんのりと赤みのあるカシュー黒溜のフチも上品で、京からかみにも良く合います。

畳も新調となり、元のお部屋とは異なるイメージのグレイドの高い和室となりました。(畳のことは、表具店である当店では詳しく分からないので…大江畳店さんにお尋ねください。)

「すっかり、お茶室らしくなりましたね〜。」
お客様にも大変お喜びいただけた様子。今回は「本襖」となり、骨が固まるまで1ヶ月ほどかかりますが、形がきちんと固まった後は、本当に長期間ご利用いただける良い襖となります。後日、お客様より「和の明かりを付けました」とお写真を頂戴しました。ありがとうございました。こちらにもアップをさせていただきました。

納品時は大勢で(総勢四人…すみません!私はオマケでした。)お伺いし、お抹茶まで頂戴しました。久しぶりにいただくお抹茶、美味しかったです!大変ごちそうさまでした。 すっかり雰囲気の変わった和室で、お客様に美味しいお茶を味わっていただいて下さい。また、何かございましたら今後ともよろしくお願いいたします。
たぶん、このフスマの張替は二十年近くは必要無いと思いますが…(笑)

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  【京からかみ「春挙松といたや楓」・お茶室仕様の雪見障子】
ふすま:新調  押入:4枚/天袋:3枚/取合:2枚
襖骨:本襖・八遍貼り
紙 :京からかみ(越前手漉き本鳥の子紙)/天神紙
染色:雲母
引手:赤銅春霞/フチ:加州
障子紙:タフトップ
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